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「相続税対策」に関するお役立ち情報

二次相続まで考慮した相続税対策

  • 文責:所長 税理士 伊藤貴陽
  • 最終更新日:2024年4月5日

1 一次相続と二次相続

一般的には、ご両親が連続で亡くなった場合で、子の立場から見て、最初に亡くなった親の相続を一次相続といい、次に亡くなった親の相続については二次相続といいます。

例えば、父、母、子2名の家族では、父が最初に亡くなった場合を一次相続といい、その後、母が亡くなった場合を二次相続といいます。

2 一次相続と二次相続の両方に相続税申告が必要な場合

一次相続と二次相続の両方に相続税申告が必要となりそうな場合は、原則として、二次相続まで考慮して相続税対策を検討した方がよいでしょう。

一次相続では、相続人として、配偶者である母が、配偶者の税額軽減の特例を利用することができます。

この配偶者の税額軽減の特例とは、配偶者の取得する相続財産が1億6000万円以下または法定相続分以下であれば相続税が0円になるというものです。

そのため、一次相続では配偶者が多めに相続財産を取得して相続税額を低くするという考え方もあるかと思います。

この場合は、配偶者が相続税額0円となるのに対し、子は取得した相続財産の額に応じて相続税を支払うことになります。

そうすると、一次相続では相続税が少なくなるのですが、この後すぐに配偶者である母が亡くなってしまった場合などは、二次相続で子に多額の相続税がかかる可能性があります。

3 二次相続で気を付けたい点

二次相続では、そもそも相続人の中に配偶者がいないため、配偶者の税額軽減の特例は利用できません。

また、一次相続に比べて、法定相続人が1名減っているため、基礎控除の金額が600万円減ることになります。

その他に、二次相続における被相続人が自宅の土地等を有していた場合、一次相続の土地の利用状況と変化がある場合は、小規模宅地の特例の要件を満たさず、土地の評価減ができなくなる可能性があります。

4 二次相続まで考慮した一次相続における相続税対策

一次相続における被相続人の配偶者が多額の財産を持っている場合などは、配偶者があまり相続財産を取得せずに、子に多めに相続させるほうがよいでしょう。

一次相続で子が小規模宅地の特例を利用できる状況の場合は、配偶者ではなく、その子が土地を取得する方がよいでしょう。

配偶者が一次相続で現金や預金を取得した場合は、その現金や預金を使って生命保険契約に加入することで、生命保険の非課税の恩恵を受けつつ、二次相続における納税資金を確保するとよいでしょう。

二次相続において小規模宅地等の特例を利用できるようにするため、土地を取得する予定の子は親との同居などについて検討しておくとよいでしょう。

二次相続のメリットを享受し、デメリットを避けるため、一次相続の発生前に、遺言書を作成しておくとよいでしょう。

以上のような二次相続における相続税対策が考えられますが、実際にどのような対策をとるのがよいかは、税理士に相談されることをおすすめします。

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