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税理士法人心

なぜ相続税申告が得意な税理士と苦手な税理士がいるのですか?

  • 文責:所長 税理士 伊藤貴陽
  • 最終更新日:2024年8月6日

1 相続税は税理士によって差が出やすい分野

税理士であれば、誰でも相続税を取り扱うことができます。

他方で、相続税を得意としている税理士もいれば、そうでない税理士もいます。

同じ税理士であるのに、どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか。

それは、税理士の業務の中でも、相続税は知識・経験の差が開きやすい分野だからです。

2 相続税を知らなくても税理士になれる

⑴ 相続税は選択科目

税理士試験では、複数ある科目のうち5科目に合格することで、試験合格となります。

試験には必須科目と選択科目がありますが、相続税法は選択科目です。

つまり、試験で相続税法を選択しなかった場合、相続税について何も勉強しなくても税理士試験に合格することができるのです。

⑵ 相続税の実務経験を積む機会は少ない

税理士になるには、原則として税理士試験に合格するだけでなく、2年以上の実務経験を積む必要があります。

この実務経験は、税務会計事務に関するものでなければなりませんが、必ずしも相続税に関するものである必要はありません。

後述するように、税務会計の現場で相続税を扱う機会は少ないので、2年間の実務経験の中で相続税に触れる機会がまったく無いまま税理士になってしまったというケースもありえます。

3 税理士が相続税を扱う機会はあまり多くない

⑴ 税理士業務の多くは個人事業主や法人の記帳代行等

税理士の本来的な役割は、税額の計算と税金の申告の代理です。

そこで、個人事業主や法人の顧問となり、所得税や法人税、消費税等の申告を代理するというのが、税理士の典型的なビジネスとなります。

そして、所得税・法人税・消費税等を申告するためには、年間を通してしっかりとした経理処理をしなければなりません。

そこで、税理士が経理処理を担い、記帳代行を行うことが多いのです。

税金の申告は年1~数回ですが、記帳は毎日のように発生しますので、税理士の仕事の大半は記帳代行に費やされることになります。

そのため、全稼働時間において多くの割合を記帳代行が占めることになります。

⑵ 相続税は人が亡くならないと発生しない

所得税や法人税、消費税の申告は、毎年のように発生するものです。

経理処理や記帳は、毎日のように発生するものです。

しかし、相続税は人が亡くなり、かつある程度大きな相続財産があって初めて発生するものです。

税務顧問をしている顧客や、その親族や知り合い等から相続税申告の依頼を受けるケースはあるかもしれませんが、回数としては多くありません。

また、その時に亡くなった方が、相続税申告が必要なほど多額の財産を持っているとは限りません。

つまり、一般的な税理士業務の中では、意図的に相続税計算・申告の業務を手掛けない限り、相続税の申告を経験する機会は少ないのです。

4 相続税申告が苦手な税理士でもできる安全策がある

⑴ 単に相続税を計算して申告するだけなら難しくない

相続税は、相続財産の評価額に対して税率を掛け合わせることで算出されます。

相続財産が預貯金、自宅の土地・建物、上場株式等だけのような場合であれば、評価額を単純に算定して相続税額を計算すること自体は難しくありません。

預貯金や株式の評価額については、被相続人死亡時の預貯金残高証明や、株式の相場についての証明書を取得するだけで分かります。

建物については、固定資産評価証明を取得することで、評価額を算定することができます。

土地についても、路線価図というものを参照し、一般的な計算式に当てはめることで、一応は評価額を算定することができます。

⑵ 不動産評価の経験・ノウハウがないと相続税が高くなることがある

他方で、土地や建物といった不動産については、相続税申告上の評価額を適法に下げる手法が多く存在します。

相続税額は、相続財産の評価額に税率を掛けることで算定されるので、評価額を下げることができれば、相続税額も下げることができます。

例えば建物や土地が他人に貸し出されている場合、大幅に評価を下げることができる可能性があります。

さらに土地については、複雑な形状のものであったり、広大なものであったり、間口が狭いものであったりする場合、利用が制限されることから、評価額を下げることができる可能性があります。

もっとも、上記のような土地の評価には複雑な計算を伴うことが多く、また計算に誤りがあると税務署から調査や指摘を受けることもあるので、十分な経験と技術が必要となります。

ところが、これらの手法を使うことなく、高い評価額のまま高い相続税額を算定して申告しても、問題とされることはあまりありません。

税務署は、通常は申告額が低いケースだけを問題として指摘します。

その結果、相続税を払い過ぎていることに気付くことなく、相続税申告が終わってしまうこともあるのです。

⑶ 相続税を減額できる特例も経験・ノウハウが少ないと適用できないことがある

さらに、相続税の申告においては、相続税額を大幅に軽減できる特例がいくつか用意されています。

しかし、相続税の申告に不慣れであると、これら特例の存在や適用を見落とすことがあります。

結果として、本来減額できるはずであった相続税を、過大に支払ってしまうことになるおそれがあります。

5 柏市やその周辺は相続税を節税できるチャンスが多い

柏市やその周辺は、千葉県の中でも大きく発展している地域の一つです。

こういった地域は、土地の値段が高いので、相続財産の大きな部分を土地が占めることがあります。

また、人口が多い地域であり、利便性が良好で住宅需要も高いことから、被相続人が賃貸用マンション等を所有しているというケースもよく見受けられます。

このような場合には、相続税を大きく節税できる可能性があります。

柏とその周辺にお住まいで、相続税申告に不安を感じた場合は、相続税を得意とする税理士事務所に相談されることをおすすめします。

当法人では、相続税の申告に関するご相談を原則無料でお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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